言葉はいらない。

祖国を捨てるつもりで日本へ来た。
振り向かないで、
さよならも言わず、
冷淡な気持ちで離れて来た。
二度と帰らない
二度と想わない
しかし、それは不可能。
忘れようとすればするほど
恋しく懐かしく、
逃げれば逃げるほど夢にあらわれる。
捨てられない・・・何もかもを。
捨てるもんじゃない・・・自分が死んだとしても。

一八年前、寺山修司を知った。
どれほど彼の詩に救われたか・・・感謝しきれない。
寺山修司の表現の中から私は確信した。
捨てても捨てられないもの、
捨てても生き残るもの、
捨てても自分を受け入れてくれるもの、
捨てても母の愛は永遠であることを。
(写真は寺山修司記念館、きらめく闇の宇宙の中から)

0 件のコメント:

コメントを投稿