遥か昔、
地上に逃れて来た神は、
誰にも見付からないように
それを、
土の中に埋め隠した。

生命の起源を論じる
学者達には、
あざ笑われる話だが・・・
殻の中から、
蛹は確かに見ていた。
それを・・・。

喜びの波動が
波のうねりのように、
一瞬にして、
凍りついた地上を走る。

神の
どのような事情であれ、
それは、
音も立てず密かに、
美しく誕生した。

神秘の化身として
・・・・・。

蛹は蝶に生まれ変わり、
力強く飛んで行く。

咲き誇る花々へと。












グムスンお姉さん

何もやる事のない、
金曜日の夕暮れ。

門の前、石の上に座り
草むしりをしていると
グムスンお姉さんがやって来る。

長い髪の毛を掻き上げながら、
私に近づいてきて
ウインクする。

町、一番の美女!
私の永遠の憧れ。

豊かな胸、綺麗な二重瞼、
真っ赤な唇。真っ白な肌。

うちのお兄さんは、
初恋の、
グムスンお姉さんに振られて
絵の具を持ち去り、どこかに消えた。

沢山のチョコレートを、
私の汚れている手に握らせて
グムスンお姉さんは言う。
オンミ!オンミだけは、
あたしの事、嫌いにならないでね!

町の人々は、
グムスンお姉さんを ‘‘ぞうきん” と
呼んでいた。
アメリカ兵士達の ‘‘おもちゃ” とも
呼んでいた。

知っている。
全部知っている。

・・・・・・・

毎週の金曜日、
本当は、
グムスンお姉さんに会うために
私は門の前で待ち構えていたのだ。

ある時から、
会えない日が続いて
少しづつ記憶から薄れていた頃、
偶然、駅の広場で、
タバコを吹かしている、
グムスンお姉さんを見かけた。

私は、
声も掛けられず
逃げるように公衆トイレに駆け込んだ。

私はいつの間にか、
泣いていた。

綺麗なグムスンお姉さんじゃない。
汚れ塗れの物乞い姿!

あの時、私は

私は、逃げるべきじゃなかった。

・・・・・

うちのお兄さんは、
今でも持っているのかな?
17歳頃のグムスンお姉さんの
恥ずかしそうに微笑んでいる、
似顔絵を・・・・・。




 

アカシアの香る道

恋人達は手を繋いで
ゆっくり歩く。

時折、立ち止り肩を寄せ
ささやく。

うつくしい・・・

屋根裏部屋の天窓。
私は覗き眺めていた。

早く、大人になりたい・・・

アカシアの木の下で
くちづけをしたい。

アカシアの香る
季節が訪れると、
恋人達を想い出す。

儚い恋のように、
咲いては、散って行く
アカシア。

私の恋こころは、
アカシアの香る道から
始まった。

天窓から、眺めていた
うつくしい恋人達の姿。

いまも、忘れられない。


小さい頃、
アカシアが咲くと、毎日食べていた。
アカシアの甘い花びらを。
そして、友達とキスをする。
誰の口が、一番いい香りだったか、
そんなくだらない遊びを、一日中真剣に遊んだ。
お腹を壊しては、また食べる。
・・・・・
大好きなアカシアの香り。
家の近いところに、大きなアカシアの木がある。

そういえば、一度も、好きな人とアカシアの木の下で、
くちづけしてないな~!
さてと、
ことしは、キスしてみましょうかな!








 

旅人の探し物

夜明け前の静けさ。
計画も目的もないまま、
靴紐を結び直し
道の真ん中に立つ。

まだ、鳥達は眠っている。
金星を隠した群青色の空、
あぁ!
こんな悲しみは、
何処からやって来るのだろう!
沈黙の散り敷かれた道
私は歩く。

見知らぬ街、
見知らぬ人々。

見覚えのある花々、
見覚えのある星座。

何処に行っても、何をやっても、
心の虚しさは消えない。
時だけが過ぎて行く・・・

自分自身に丁寧に尋ねてみた。

もしかして、
しあわせを探しているのかい?

・・・・・うん。

周りに気を取られたら駄目よ!
目に映るものを信じる前、
まず、心の中を旅し感じて・・・
もう、見つかるはずよ!
随分、探し物が溜っているはず。

 ・・・・・


いつしか、染み付いた、
靴紐を結び直す癖、
今は無くなった。

自分自身、心の道への旅。
近くて、遠い。
崖もあり、暗闇もある。
しかし、金星より輝く光が、
いつも道案内をしてくれている。



 

かくれんぼう 

人生は、煙の影。
ろうそく、一本分の幻。

濛々たるけむりが、
僕の目を覆う。

白い世界。
僕は迷子になり、
立ちすくむ。
しかし、僕は恐れていない。

りん、りん、りん・・・靡く、
風鈴のような声。

限りなく響き渡る・・・
ここよ!ほら、こっちよ!
見えない、攫めない。
君は一体、誰?

悪夢のような遊び、
僕はいつになったら、
君を、
見つけられるのだ。

ろうそくのろうが、
ゆっくりと流れ落ち
僅かにゆれる残燭。

灯りが消えそうで、
僕は怖いんだ。

このけむりが、
幻に変わる前、
本望の、
人生に帰りたい。

君と一緒に・・・・・

たから、もう、
隠れないで。

人生は、煙の影。
ろうそく、一本分の幻。

帰ろう!
僕達の灯り、生きるところへ。

丘にある果樹園

鉄条網張られた果樹園、
林檎の真っ赤な実。

胸がドキドキしてきて、
零れ落ちる涙。

神様!

あの林檎を食べたら、
私は地獄に落ちるんでしょうか?

名の知らない山鳥、
私を見つめている。
私の心を見抜いている。

お願いよ!!
丘の向こうへ飛んでいておくれ・・・

何とかして手で捥り取りたい。
何とかして、口の中に入れたい。

私は、
両手で林檎を包み隠し、
そっと、一口齧る。
甘くて、酸っぱくて、瑞々しい。

丘に鳴り渡る、教会の鐘の音。
夕方の礼拝・・・

あ!!
私は、林檎を落とし、
息を切らしながら
下り坂を駆け抜けて降りてきた。

いばらのとげが、
指に、頬に刺されている。

丘の方を振り向いた。
微かに、見える・・・
山鳥が教会の十字架の上に
止まっているのが・・・

いまでも、見続けているような
そんな気がする。

林檎を見ると、
とげに刺されたかのように
心が痛む。

心が、痛む・・・・・

特技までは言えないけれど、私は人を覚えるとき、顔や名前じゃなく
ほとんど声で覚える。

初めて、誰かとお会いする場合、私の耳は凄い!尋常じゃない。
まるで、マジックミラーのよう。

一応、私は相手の目を見る。
しかし、耳の方が相手をじっと見つめている。
マジックミラーになっているので(思い込み)、相手にばれる心配は無い。
ひたすら探る。
卑怯な気もするが、どうにもならない。

声だけを頼る。そして、本能的に保管処理してしまう。
いくら、興味のある人でも処理機関の働きにより削除されたり、
まったく興味の無い人でも、はっきりと覚えたりする。

まぁ~恐ろしい!!

自己紹介をしたり、あるいは、その場の雰囲気によって、
初対面でも自然を装い会話をするとき非常に疲れる。
耳のせいだ

声を分析した結果により、大体、私の人との関係性が繋がる。
けして、声に対する偏見はないが・・・
申し訳ないが、どうしても、聞けない声はある。

間違いもあると思い、人付きあいをしてみると、
やっぱり、長続き出来ない。相手がいい人でも・・・

なんの信憑性もないまま、
それでも自分で、なるほど、ふむふむ~そうか!~なるほどね~
と、納得する。

どうでもいい話だが、
ちょっと、疑問に思う声がある。
特にハリウッド映画の予告編の声優さん!
あの声は、ある意味声の感じがしない。
音響のような不思議な声だ。

まぁ~しかし、声は顔に何となく似るけど、正反対の場合もあるので、
面白い。
自分の声が大好きな人は、きっと少ないはず。
自分の大好きな人の声は、きっと大好きなはず。

それにしても、猫の声は耳から聞こえない。耳から見ない。
入ってくる。すっと~
自然の声(音)は、全部、全てが濾過無しに体に入ってくる。

あぁ!よかった。
 

日記

昨日と変わりのない今日。
今日と変わりのないおととい。
けれども、明日は、分からない。

今、という瞬間さえ分からない瞬間(時)がある。
出来る限り、今、思っていることを
文字に残す。
何故なら、私は、よく勘違いをする馬鹿なので
なるべく、人様に、自分自身に誤解を招かないように、
感情を整う必要がある。

自分を誤解する・・・このようなおかしな事が、私にはよくある。
そして、悩む。
そんな私に呆れる人もいるが、しょうがない。

一日の出来事を書くというより、ある意味懺悔に近い。
なので、いいことより、よくないことの方が多い。
そのよくないことが、よくならない。
その為に文字にして書いている。繰り返して・・・

しかし、馬鹿っぷりは深刻な状況のようで、なかなか治らない。
いつか、少しでも日記の利き目を感じられたらな~
しばらく、日記を書かない日があると、なぜか悩みを忘れたりする。
面白い。やっぱり馬鹿だ。

また、日記を書く。
今日からは感情を整うこと以外の事も書くようにしよう。

青い太っちょ天使ちゃん、ドラえもん!!
最近、家の中で、私とよく目が合う。
なぜか、すこしうれしい。 

今日は、そんなことのある一日だった。
 

自分に会える時

寝床に入る。
電燈を消し、しばらく目を閉じる。
長く、深呼吸を2~3回した後、目を開ける。
薄暗い部屋の中、私は毎晩、自分を呼ぶ。
静かに、労わる気持ちを心に込めて・・・

会える私は、いつも寂しそうな私。
しかし、微笑んでいる。
この感情を言葉に表す事は出来ない。

ずっと昔、子供の時からそう思っていた。
一日の終わりに自分に会える事は意識(心)によるものだけど、
どうしても、無意識の感覚のような錯覚をしてしまう。
そんな中で・・・私は呟く、 私へ。
愛して生きていくのよ。と・・・・・何もかもを。

善い人になりたいつもりはまったくない。
ただ、あまりにも空虚すぎる。とてつもない宇宙の中、ちりにもなれない私。
でも、生まれてきた。人間として。なんとか生きていかなくちゃ・・・・・

幼いころから悲しい別れの経験が多い。
大好きな人達が急いでこの世から去って行く。
あの時は、同然宇宙の存在も知らず、空虚感と言う言葉も知らない。
思春期のころ、はっきりと分かった。
当時、私は釜山に転校し、気が付いたら不良グループの一員になっていた。
釜山のなまり(方言)に困っている私を同じクラスの女の子が色々教えてくれた。
その子は、いわばグループの番長、ナンバーワン。

とても繊細な心を持つ彼女だが、周りは気づいていなかった。

大切な友達。
しかし、ある日、彼女は死んだ。
・・・・・・・

愛して生きていくのよ。と、わたしが呟くのは、
彼女の愛の真理を、世間が、人々が殺したからなのである。
そして、ずっと、私が自分自身に会うのを望むのは
愛し合って生きていきたいと願っているからなのである。

ところが、
私は本当の愛も、本当の自分も知っていないのに違いない。
永遠に知ることが出来ないかも・・・

ただ一人、静かに自分になる!

たったいま、会える自分に、いつまでも飽きることなく、
呟いていきたい。








肌を突きぬいて、細胞の中に割り込んできた。

マグマのような、熱く燃え上がる血の流れ。


耐えられない。

あなたを愛してしまった。

意識の中、全ての扉が、

あなたの為に開いている。


凄まじい光景。

喜びが、慈しみが、止めどなく溢れ出す。


耐えられない。

あなたを愛してしまった。

愛の世界の歯車が狂うとした。

いびつな言葉がうまれた。

癒えない傷を付けてしまった。


これは、愛と言えるのか?!


苦しみが、憎しみが、止めどなく胸を覆い潰す。

それでも、

あなたを愛してしまう。

喜劇の主人公でも、悲劇の主人公でも構わない。

たとえ、しがない端役でも・・・


あなたの為に開いている、

この扉を、

もはや閉じることなど出来ない。







 

カナリヤへの唄

あぁ!男よ、
とうして聞く耳を持った無いんだ。

お前の優れた欲情、
お前の溢れる渇望、
お前の幸福への偽り、
お前の愛への無知。
・・・・・
お願いだ。
魂を、闇の中に放り投げないでほしい。

鳥かごの中を見るがいい
息を切らせたカナリヤ。

純金の首飾り、
純銀の腕輪、
葡萄一房。

意味の無い飾り、
上辺だけの美しさ・・・

これだけは知っておくれ。
お前を愛し続けた、
カナリヤ。
お前の為に唄い続けたカナリヤ。

あぁ、男よ!
欲望の墓に哀れみを埋めるのだ。
お前の生まれ変わった、
純粋な魂を霊魂に結ぶのだ。

鳥かごの中を見るがいい
息を切らせたカナリヤ。

次は、
お前の番だ。

唄え!!
何でもない、お前だけの言葉で。
血を吐いても、
いつまでも唄え!!

愛の序詩を・・・・・

唄え!!










街路樹

ずっと、ここで生きていくのね。

ずっと、あなたを見届けてきたの。

雨の日も、雪の日も、

嵐の時も、日照りの時も。

孤影悄然として立ち続けているあなた。

丈夫そうに見えるけど、

きっと、痛いはずよ。

両手を伸ばし、あなたを抱いた。

何も聞こえてこないけれど、

何かが伝わってくる。

ずっと、このままでいいの?

この、アスファルトの上で生きるの?!

人の手によって、都会に、道路際に、

不自然な距離を保ちながら、

あなた達は、わたし達の為に生を全うしていくのね。

おなた達のお陰で、

人も空気も、鳥達も生きていけるの。

もう、少し待つと春よ。

優しい緑したたる頃、また会いに行きます。



ななかまど、銀杏、かえで、さくら、アカシア、すずかけのき・・・・・・・
札幌の並木、街路樹さん、
いつも 感謝します。




 

豊平川 の かもめ

いつの間にか豊平橋は私の人生の一部になっていた。

春夏秋冬、長いあいだお世話になっている。

少しずつコンクリートの建物が増え10年前とはずいぶん周辺の景色も変わった。

私も、多分変わった。はず・・・

ほぼ毎日、川を眺める。

車の騒音が絶えないけど、耳を澄ませば川のせせらぎがきこえる。

都会の中、数少ない心のオアシス!

橋際のところで、たまにホームレスのおじさんに会う。

自転車に大きな紙袋を何個も乗せて、

ある日は私に声を掛けたり、

ある日は通り過ぎたり、(あきらかに気付いてない振りをして)

ある日はあめ玉をくれたり、

いつから、おじさんを知るようになったか覚えていない。

ほれ!あみ、あみ・・・(ほら、飴、飴)

へんな日本語のおじさん、まぁ、私の日本語もへんだけど・・・

おじさんには申し訳ない事をした。

つい最近、貰った何個かのあめ玉を、

ためらいながら捨ててしまった。罪悪感が残る。

・・・・・・・

昔、おじさんは小樽の漁師だった。

そして、今は橋の下で暮らしている。

豊平川にはかもめがいる。

鮭を食べたり、カラスと喧嘩したり、水浴びしながら、鳴きながら・・・

海でもない、浜辺でもない、川にいる。

おじさんは、かもめがすきで、好きすぎてしばらくの間この辺にいると言った。

今年になってから一度も、おじさんに会っていない。

おととい、橋際のところで川を眺めていたら、かもめ二羽が私の近くへ飛んできた。

なんだか身振りの大きいなかもめ。

かもめの大好きなおじさんに、また、会えるのかしら。





 

ねぇ、笑って!

ねぇ、笑って。
嘘笑いでもいいから。

大切なものは目に
見えないけれど、
大切な笑顔は
目に映るよ。
素敵なことでしょう?!

微笑む事を探そうよ。
悩む事をちょっとおいといて。

何かの、せいにしないで
何らかの理屈なしに、
ただ笑いましょう。

赤ん坊が笑うのは、
幸せだからじゃない。
おなたの、
微笑みへの、精一杯のお返しなのよ。
私が笑うのは、
幸せになりたいからじゃない。
あなたの、
こころの庭と触れ合いたいからなのよ。

世渡りが下手でも、金が無くでも、
何かしら折り合いが悪くても
言えない問題を抱えていても、

ねぇ、笑って。
きっと、上手くいくから。

あなたの微笑み、
あなたの笑顔
あなたに見せてあげてよ。

笑いをけちると、
損するよ。


よ り そ い

大げさに聞こえるかもしれないが、音楽に救われた時がある。

なんども、多分これからも・・・・・


ゆっくり、静かに、空が落ちて来て重く私に伸し掛かって来た。

辛かった。底知れぬ穴の中、何度も抜け出そうとしていたが、

自分の力だけじゃよじ登れない。

苛立たしい気持ち・・・憔悴な姿・・・悲しみより、情けない自分・・・

ある日、ポストの中に友達からのメッセージが寄せられてきた。

穴から、自分の足で出られるように、友達は階段の代わりになってくれた。

そして、同封された 斉藤和義 のうた。

長い時間、長い間、ずっと、私の傍に寄り添い唄っている。

今朝、窓を開けると、外は陰鬱な天気模様

とりあえず、コーヒーを煎れてタバコを吸う。

すると、6才の娘が言う。

ねぇママ、※カーラジオ かけてもいい?

・・・・・

もちろん、いいわよ!

娘と別々の事をしながら、一緒に聴いた。



※斉藤和義(日本の歌手)の曲のタイトル

 

バラㇺ (風)

東京の風は生ぬるい。

弱弱しく、女々しい。

恋に落ちそうで、

怖かったあの秋の夜、

風は何一つ揺らさなかった。

少しの乱れもないまま、

降り出した初時雨に

折り込まれ、

恋も風も消えていた。

なんの思い出も残さないまま・・・


北国の風は男らしい。

強くて、たくましい。

街路、恥ずかしそうに姫百合咲いた、

あの春の日

風は優しく抱擁してくれた。

心を奪われてもいい、

攫われってもいい。

降り出した霧雨に、

濡れ滲んだのは愛の声。

確かに聞こえた。私を呼ぶ声が・・・

風と風の間から・・・・・





風の多い北海道。

風は、韓国語 で バラㇺ と言う。

ちなみに、
バラㇺピウダ は、浮気をする、 バラㇺドゥンイ は、浮気心 と言う。
バラㇺケビ は、かざぐるまのこと。
 
意味の違う言葉(単語)は日本語にも沢山ありますね。
 

チング (友達)

なんど呼んでもいい響き。

不思議な存在。

心を裸にされても、

恥ずかしくない。

誰よりも先に私の

声を聞いてくれた。

私は聞こえていたのか!

チングの声が、誰よりも先に・・・・・


チングはいつも、いい匂い。

チングはいつも、笑い、泣く・・・

チングはいつも、山の、海の

物語を聞かせてくれる。

それで、私は又頑張れる。


唯一無二の存在。

こんな歳になっても、

いつまでも好きで居られる。

チング、ありがとう!

・・・チングはいいね・・・

チングが好き。



丘にある教会

教会・・・・・

母には内緒で教会に行き
祈りました。
うちに借金して、
夜逃げしたおばさんが村に戻り
父、母の苦労が少しでも
減りますように・・・
父と母が少しでも
寝られますように・・・
朝から晩まで働く父と母。
可哀想でした。

借金の保証人になってしまい
うちは襤褸家へ移されました。
夏のある日、
お腹が空いて畑の大根を引き抜いて
貪り食いました。
盗み食い・・・大根の抜かれた土の中へ
涙が落ちて行きました。

噂に寄ると、北の炭鉱村で
跡をくらましたおばさんが死んだそうです。

それから私は教会に行ってません。


しかし、仏心の塊の母が亡くなる前、
一度、教会に行ったと知りました。
それも、聖なる日の夜、
キリストの復活節。
マグカップとタマゴを貰って帰ってきたそうです。

地図が無くても、目的地に着く人

地図があっても、目的地に着けない人。

写真に収める人、目に焼き付ける人

群れ集いうろうろする人

一人きり歩く人。

聖地を巡る人、遺産を巡る人

荒れ地を行く人、自分探しに行く人。

寅さん、

リュ・シファ、

星の王子さま、

アルケミスト、

ジェラールッディーン・ルーミー、

ピエドラ川のほとりで私は泣いた。

私は、
この先、どんな旅をして行くだろう・・・
誰もが、生まれてそれぞれの旅人になる。
そして死んでいく。そしてまた旅をし生まれて、
旅人になる。


ちなみに、養老孟司さんは
自分探しなんてムダな事。
ほんとの自分を探すよりも、本物の自信を育てたほうがいい。
っと言っている。

全く同感だ。




ある、猫へのインタビュー

夜はお好きですか?
静まり返った匂い、
敷かれる闇に孤高な影・・・好きさ。

お魚は好きですか?
目の前で、血塗れの
ネズミを食ったら引くだろう?!

鳥は好きですか?
何となく、羽が欲しいね。
飛んでみたい。

故郷は好きですか?
根無し草なもんでね・・・
この先も、根を下ろしたくないね。

あのぉ、猫はお好きですか?
まあね、自主独立なので・・・
いくら強くても、弱くても
お互い尊重しあっているよ。

人・・人はすきですか?
時と場合によってだな。
・・・大体、人間は礼儀を知らない。

ありがとうこざいました。
次回、またお会いしましょう。
最後に、一言お願いいたします。

距離、つまり 間 を大事にしなさい!

・・・・・・・

貴方の事、気まぐれだなんて。私誤解してたわ。
貴方ってとても素直。
思うまま、誰にも従わず、誰も傷つけず・・・
私には真似出来ない。

貴方って素敵!!