自由

 雪山に赤い血、

もう少し待てば春なのに

川の氷も溶けるのに

猫柳にも会えるのに

母亡くした子鹿、

人間が憎い、人間が怖い

春なんか来ないで、

人間など入らないように

雪さん、止まないで

雪さん、降り続いて。


雪山下、平和な町

皆が笑顔でまわす盃、

神棚、神様も

うれしいのかな…


血の付いた鹿見て誰も泣かない。


痩せた丸太と

大きな鍋だけが

音を殺して泣いている。



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