第二の男

男のあだ名は
「複製魔王」

鯨と
私の花をあげた男を
殺した男。

鯨と
私だけの花も
殺した男。

島を滅ぼした男。

私の
眠る潜在意識の中、
何かが脳みそを
掻き混ぜる。

両手両足を
鋭い嘴に
括りつけられ
何者かが
私の
左脇腹の奥を貪る。

嗅覚を刺激する
生臭い空気を吸い
ナイフに滴る
赤い液体を見つめ
私は沈んだ。

深い痛み
深い悲しみに落ち
静かに
静かに
沈んだ。

必死で
私を呼び戻す
私の声・・・
私には
届かなかった。

私の知らない
私の住む島が生まれ
何者かに心臓を支配され、
奇妙な花が生まれた。

複製魔王に
摘まれた花は
不揃いに束ねられ
不吉を呼ぶ
罪深き者への
餌食として
投げ出された。

惨めな業を
喜ぶ者が
あちらこちらで
複製魔王の目玉を買い漁る。

素晴らしい
素晴らしい悲しみだ。

私には分かった。

手拍子をあわせ
花を踏み躙り踊る
複製魔王の正体・・・

私には
分かったんだ。

誰かの花Ⅱ




















私だけが
住む島へ
第二の男が
何かを
持って現れた。

それが
何かを知らないまま
私は
それを欲しがっていた。

第二の男は
無色無味の何かを
島の窪みに植えた。

そして
私には見向きもせず
島から消え去った。


私だけの島に
私の花じゃない花が
醜い姿で咲き乱れ
憶えのない
切ない恋唄をうたっていた。

密かに溢れ出す
情欲塗れの
蜜の毒。
隠しきれない
うつくしい汚れを
罵り恥じらった。

私の花じゃない・・・
すべては、
私の花。

何かの
始まりであった。

何かの
終わりであった。

豊平神社の猫

風の強い今日は
遠くまでは歩けないな。
とりあえず、
少し散歩でもしようと出かけた。
偶々豊平神社の前を通ったので
お参りすることに。

運よく神社に住んでいる猫に逢えた。
これで2度目。
小鳥を追いかけて木に登ったり
近くに寄ってきて甘えたり・・・。
猫のふさふさのしっぽには
葉っぱも蟻も付いていて
私のカーディガンには
猫の毛が付いて、なんか嬉しかった。


誰かの花




















私だけが
住む島へ
男は
花を運んできた。

文字を知らない私に
男は絵描き歌を
教えてくれた。

お礼に
私は
鯨をあげた。

私だけが
住む島から
男は
花を持ち去った。

別れを知らない私に
男は脇腹の骨
一本残してくれた。

お礼に
私は
私の花をあげた。

木の姿



帰る・・・
歩いて帰る。
故郷、我が家へ。























耐える・・・
生まれ変わる
その日まで。





















見つめる・・・
自分は何者?
わからん。わからん。