視線Ⅱ





















仕方がない
・・・・・

また
足止めされた。


この小さな
生き物たちは
春から
冬まで
冬から
この先も
ずっと
ずっと
外で暮らすことに
なるだろう。

みすぼらしい
痩せた庭を耕し
自給自足の
日々を送りながら。

たまに会いに行くと
たまに喜んでくれる。

この子たちは
毎日見つめている。

私の知らない
何かを
・・・・・

この子たちは
毎日苦しんでいる。

それが

何か

知りたい。

視線





















わたしは
花を
見ていた

わたしが
見ていると思った。

花が
わたしを
見ていた

花から
見られていた。

怖かった。

今まで
自分の
見る目を
信じていた。

これからは
信じない。

花の目は
見えない・・・

見えないからこそ
見えてきた。

ありふれた言葉だが
目に見えない
ものだけを
信じることにした。

そうすることにした。

私への授業

生まれる前から
母は
詩を
聞かせてくれた。

地上の
母は

皆の
赤ん坊に
詩を唄ってくれた。

しかし
母も
私も
憶えていない
あなたも
あなたの母も
憶えてはいない。

この世を去る
母へ
父へ
友へ
猫へ
私は
詩を朗読した。

死者の
魂は全部
皆の
詩の
朗読で
天国へいった。

しかし
私も
あなたも
皆も
詩を
朗読した憶えはない。

生まれる前から
生まれ持ってくるもの

生きている間
無くしたり
隠したり
忘れたりするもの

自分の
足元を
照らしたり
消したりするもの

私が
あなたへ
近づいたり
離れたりするもの

あなたが
私へ
愛を注いだり
枯らしたりするもの

表と裏を
輪のように
くっ付ける生き物

血の流れる
生き物
・・・・・
・・・・・




詩。



花を想う





















来世の君は
花に生まれ
また
私に
逢える。

教えてください!

どうして
君は花で
私は
人間なのかを・・・。

どうして
君は私に
早い別れを
告げるのかを・・・。

教えてください!

君の意味を

教えないでください!

私の意味を。

瘡蓋




















何が
君を
痛み付けているのか
君の
傷の中を見たい
見たい。

君の
口を塞いで
剥がしてみたい。

何を
君が
痛み付けてきたのか
君の
傷の穴を掘りたい
掘りたい。

君の
目を塞いで
掻き毟ってみたい。

何に
君は
痛みを憶え
苦しい闘いを
続けてきたのか
君の
傷の原型を知りたい・・・
知りたい。


君に
付き纏う
私は
瘡蓋。

君の
何も
わからないまま
明日の明日、
いつかは
忘れられる瘡蓋。