人生はサーカス

幼い頃
初めて
母と橋の下で観たサーカス・・・

私の
想像していた世界が
現実にそのまま現れた不思議な世界

悲しくて
怖くて
楽しくて
可笑しい・・・

とても美しくて
とても切ない

大人になったら
サーカス団に入り
町から町へ旅をしたいと思っていた。

私の夢は叶わなかったが
夢の心は
今も
何も変わっていない。

毎日、
フェデリコ・フェリーニの
夢の世界を歩く

彼の映画は
私のすべてを代弁している

子供の頃からずっと
私の中で
話しかけているピエロ・・・

その顔は
彼の映画の色んな場面から
登場する人物たち

色んな
自分の顔
色んな
自分の心・・・

私は
一人だが
一つではないのだ。

だから
多い悩みも
多い悲しみも
足りない愛も
足りない善も
いいと思えるようになった。

人生はサーカスだと
思い続けたい

人生は
決して
明るくて楽しいものではない

愛の別れのように
人生は
切ないものである

その
切なさは重い苦しみではなく
サーカスの終わりを告げる黒い幕

閉ざされる幕は
まだまだ
続くための幕である。


0 件のコメント:

コメントを投稿