蜘蛛の巣

まだ、
光っていた。

まだ
生きていた。

米粒より小さな黒い目は
微かに空を見上げていた。

ガーベラの花びらより小さな体は
ゆっくりもがいていた。

その
となりには死んだ蛾が
落ち葉のようになびいていた。

蜘蛛は
姿を現せないまま、
遠い何処かで笑っているが、
何故か、
とても悲しいそうだ。

糸に絡まる、
北の
冷たい風・・・
糸に絡まる、
小さな命の
儚さ・・・

まだ、
生きていた・・・





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