追憶






























掴められない
僅かな希望と夢。

握り拳の中
あの時、
お前は
何を隠していたっけ・・・。

希望を育てられない未完成のハート、
夢の夢を知らない幼い魔法使い。

お前の
しわくちゃ伸ばせない人生へ
贈る言葉がみつからない。

真っ暗な明日、
自力で照らせといえる
自信もない。

俺は
不幸なお前を
適当に
同情している。

どうやら俺は
悲しむお前を
追憶の中へ閉じ込め
楽しんでいるらしい。

無惨にも
俺は
お前の
僅かな希望と夢を
踏みにじっていたのかもしれない。

しかし俺は
忘れた。

ハサミで切り取り
きれいに燃やした。

手品みたいに
跡もなく
消した。

お前には
お前の
追憶も
俺の
追憶もない。

あるのは
僅かな記憶障害と
平凡な貧しい幸せだけ。

俺には
俺の
追憶も
お前の
追憶もない。

あるのは
幻を追う影だけ。

0 件のコメント:

コメントを投稿