晩秋

脱いでいく姿
・・・・・。

こんなにも
風は冷たく、
あなたのこころは
渇いているのに、
どうして、
どうして、震えながら
微笑むのですか!

樹の枝より細い体、
トンボの羽より薄いシルエット。

うつむいている山茶花に別れを告げ、
一人静かに山の、雲の、谷間へと。

少しずつ
少しずつ
一つ一つ
脱いでいくあなた。

何も持たず
旅立つその先には
一体何があるのですか。

一晩、
あなたの体を
温めてあげてほしかったです

一晩、
この私のこころで
あなたを抱きしめたかったのです
・・・・・・・。

あなたのよい旅を願います。

私の絵葉書が
あなたの元へ届いたら
お返事を下さい。

いつまでも待っていますので・・・。

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