小樽の海

あの、
海を、
見たかった。

あの、
色を、
見たかった。

この世で一番私を
惹きつけるのは
海。

この世で一番私を
悲しませるのも
海。

万華鏡の青い光
オルゴールの波の音色
坂の上の水天宮の神様

あるべきものが
ある場所で
静かに待っていた。

現実逃避する女は
海の街小樽で、
しばらく夢を見た。

その夢は
何度も見た事のある
未完成の無声映画。

聞こえて来るのは何もない。

しかしなぜか
聞こえた。
あの、
海の声が。

また、いつでも
ここに
いらっしゃい・・・・・・。

小樽から帰ってきて何日も過ぎているのに
いまだに夢を見ているよう。
生活に馴染めない。
ぼっとしている・・・
夜風に秋を感じているせいなのか、何なのか、
とにかく心身がだるい。重い。

あの海がずっと頭から離れられない。
怖いほど・・・・・。

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