丘の願い


何も言わないで

何も謝らないで

何も
何も・・・・・。

がらくた薬缶の蓋を
開けてご覧!

君の摘んだ
野イチゴだよ。

君の掠り傷、
足と腕と
頬の痛みを
忘れさせる
甘いごちそうだよ。

何も
言わないで、
誰にも
謝らないで
お腹いっぱいお食べ!

しかし
君は
どうして
毎日
わたしのとこへ
来るんだい?

わたしに
・・・・・
会うためかい?

わたしの
体には
君の
足跡が記され
君の細い道が
出来ているんだ。

うれしい
うれしい証だよ!

好きでも
嫌いでも
君は
わたしのことを
いつまでも
忘れないよね。

わたしには・・・
・・・わかるんだ。

いつの季節か
神様は
引っ越しをし、
鳥も
林檎も
ツツジも
野イチゴも
突然
住めなくなったんだ。

そして
マッチ箱のような形をした
大きな
大きな冷たいものに
押さえ付けられ
わたしは
気を失い
君の
大切な証も
なくしてしまった。

悲しかった・・・
とても・・・。

しかし
わたしには
わかるんだ

君の中で
生き続けている
私たちのことを
・・・・・。

君は
大人になり
遠い知らない国へ行き
人生の迷路を
歩き渡り
ある日
恋に落ちたね!
そして
君は
母になった。


わたしは
君に言いたい

君自身を
誰よりも愛して!

そして
いつか
逢いにおいで!

君の
足跡を
もう一度感じたい。

君の
こころから・・・

そう、
君の
こころの中から。

自分自身の
証を
しっかりと
丁寧に
こころへ記してください。


それが
わたしの
願いだよ。

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