三十年の間

おそらく私は今まで気づいていなかった。

私の間違いに・・・・・。

彼女に言われるまで、
自分の苦しみを三十年間折りたたんできたのだ。
広げて見せる程特別なことではないが、
彼女いわく、私への謎が解けたらしい。

三十年は長い。しかし、あっという間

この間、自分を苦しめているもう一人の私に逢えた。
正確に言うと彼女のお陰で逢うことが出来た。
見えない壁の向こう、隠し切れない後悔のため息。

彼女は私に言った。
「自分を責めないで!オンミのせいじゃないよ!」
この言葉、三十年間のあいだ、初めて聞いた。
彼女とは長い付き合いだが、今までこのような事について
一度も話しをしたことがない。
昔から責め続けている自分のことを・・・。

詩が死のように書かれ
死が詩のように泣いている私のこころはいつも暗く
いつも後悔の連続。
そう、何かを書き続ける理由のひとつ、
経験した全ての悲しみの原因が
自分のせいだっと思っていたのだ。

親不孝な娘・・・
親の死に、大切な人との別れを全部自分のせいにして、
攻め続けてきた。
それらを言葉にして書いているうちに少しは自分の罪が
報われているような錯覚をしていた。
私の為に「犠牲」になったと思い続けた年月・・・その気持ちが
今、突然なくなったわけではないが、
彼女の言葉で心が少しは楽になった。

彼女といるうちにいつの間にか
静かに朝が来て、二人は笑顔になった。

ありがとう! 

人、誰にも苦しみや悲しみがある。
何かのきっかけで重い心が軽くなるときもある。
以前にも言ったことがあるが、
私の場合何から何まで、必ず、友達から救われている。

私も友達から必要とされる人間になりたいが、
「頼りのなさ」の私。時々無気力をあじわうのである。

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