白檀

お母さんの匂い・・・白檀。

胸に積もった苦しみ、白髪になり
透けて見える静脈、生きてきた証。

私を産んだ人。
最後まで、
私の顔を見つめた人。
今でも、
私を見守り続けている人。

その人は、お母さんです。

私は小さい頃から大好きな匂いがあります。
「白檀」です。

昔、食器棚の中に大切に保管されていた漆器。
その片隅に、大人の拳程の木香が置いてありました。
一日中何度も食器棚を開け、匂いを嗅ぎました。
そして、幼い時から、母と訪れたお寺にもいつも
白檀のやさしい香りが静かに漂っていました。

人は、時には、懐かしい匂いにより
忘れかけていた思い出を思い出し、
不思議と、今から前へこの先へ
少しでも進んでいけることが出来ます。
その先は目には見えないけれど、
きっと、その人の人生を豊かにしてくれると信じています。

豊かさは愛です。

昔からずっと好きだった匂い
とても懐かしく、とてもこころ安らぐ白檀の匂い。

思えば、以前100円ショップで売られている
白檀のお線香の匂いを嗅いで突然泣いたことがあります。

お母さんの匂いでした。

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