何処に行けば 

今いるここで
見つけられない。

今いるここでは
時間だけが過ぎ行き、
次元の持ち主に
鞭打たれてばっかりである。

逆らえないまま
ゆらゆらと
過ぎ行く私。

今いるここで
見つけられないのは、
何処に行っても
見つけられないのだろうか。

私には、
生まれたときから
何か忘れたものがある。
形のある、形のない
重みのある、重みのない
分からない何かが。

いつも 
探し続けている夢を見る。
いつまでも、
歩き続けている夢を見る。

岩の裂け目に挟まれた、
幼い白い蛇の目、
わたしはその黒目に映り、
その黒目はいつまでも夢をみている。

抜けられない苦しみをしらず、
岩そのものが、
自分の体だと思っているのは
蛇なのか、私なのか。

何処に行けば
見つけられるのだろう!
何処に行けば
気づくのだろう!・・・
・・・あ!むなしい夢ばっかり
見続けている。

行けよ!岩から離れて。
夢よ!私を歩かせないで。

私は、
今いるここが、いいのだよ。


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