どうでもいいこと

意地悪さをする吹雪、
西風に掠れる唇を
さらに傷つけ
速い足取りで逃げ隠れる。

足元を引っかく
真っ白なカキ氷の絨毯。

鼻から落ちる
真っ赤な鮮血が
イチゴシロップのように見えた。

恐くて隠したい色であった。

仕事の帰り道、
風の強く感じる日は
酷く疲れた頭を意識的に
ほったらかす必要がある。

好きでもないミルクティーを片手に
好きでもない曲を聴く。

自分の顔を手鏡で覗き見
がっかりする。
もう一度手鏡に顔を映す。
間抜けな感じがして
二度目のがっかり。
さすがに
三度目は見られない。

こんなつまらないことを
少し続けてやってみる。

もしも、オナラが出そうなときは
いかにも、音もにおいも出せず
出来るのかを試す。

読み終えた気分になるまで
読みたくない難しい本と
ずっとにらめっこ。

それでも
頭の疲れがなかなか取れないときは
目をつぶったまま何かを洗う。

皿、浴槽、髪、足、等々。

日常的に
好きなことより
好きではないことをやり続けている。
たまには、
自分だけのどうでもいいことをやってみる。
無駄なことをわざと私はやる。
無駄な時間をわざと使い、
ほっとする。

一年の中、
冬の吹雪の日が最もやりやすい。
どうでもいい無駄なことをね・・・。

安心してください!

私、とうとうおかしくなったのではありませんので。

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