労働者の猫




















今日で三日目

ご主人様は
遠い街で
汗を流し
鉄筋を運び
組み立てている。

繁殖し
増え続けている
金持ちの為の
立派で
豪華な住処・・・
広いブタ小屋を
つくりあげているんだ。

僕は出窓に座り
考え込んだ。

ご主人様の
未来について。

請求書の中に
請求書は埋もれ
政府機関に
最小限の希望も
消し去られ
人間の群れに
追い出され
出口の見えない
洞窟の中を彷徨う
かわいそうな
僕の
ご主人様。

働いても
働いても
何も変わらない
へんてこりんな
ご主人様の人生・・・
増えていくのは
拾われた僕達だけ。

僕達と
ご主人様に
未来はあるのかな。

僕は出窓に座り
祈ったんだ・・・
ご主人様の
無事を。

あんたも
祈ってくれ。

僕の
友達だろう!

鼻が痛い
痛いんだ。

一週間分の
キャットフードに
ハエが集まり
喰い倒され
ちっとも動かない。

あんたは
わかるよね!
僕の
この気持ちが・・・
この
何とも言えない
やるせない悲しみが。

そういえば、
向かいにある
金持ちの
大きな金庫へ
人間が集まり
喰い倒されたらしい。

臭い墓場に
なっているらしいけど
あんた、
知ってた?!

それより、
申し訳ないが
糞塗れの窓を
拭いてくれないか

目が痛い。
痛いんだ。

あんたは
僕の
友達だよね・・・・・。

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