川の辺で

夕暮れの道、
一月の
寂しいこころを連れて
歩きたかった。

ひとりで・・・。

いつもの川の辺、
そこまでの
わたしの足の歩数は
大体千百歩位。

冷たい雨が雪にかわり
微かな灯りを浴びながら
流れる川へ溶けて行く。
ひとつになり、
地上の果てから果てまで
まわりまわって、
離れて、 
また、ひとつになる。

雨も
雪も
川も 
夕暮れも
私も・・・・・。

薄暗い足元
胸の奥まで沁みこむ夜風。

ひとりで呟いた。

「故郷の川は、元気でいるのかな?!」。


現実に戻された私は
晩ごはんのおかずは何にしようか考えながら
川を後にし雪の積もった土手の上の道を歩いて帰った。

故郷が恋しいとき、
いつもひとりで豊平川へ行く。
この川とひとつになり、
流れて流れて、故郷の川へ逢いにいく。

いつ辿り着くのかはかわからないが、
今は、
いつか逢える故郷を想うだけでいい。
こころの中にある故郷・・・
一月になると、いつもより恋しくなります。

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