古木の前で




















古木の前に立つと
早くその場から
離れたい。

恥ずかしくて
見つめられず、
見られている
古木の視線から
逃げ隠れたくなる。

しかし
何らかの力に
引き寄せられ
何らかの声に
呼び戻され
私は
どうしようもなく
手を合わせることになる。

拝めているのではない
・・・・・
なぜか、
凄く悲しくなる。

その悲しさが私は嫌いだが
その悲しさだけが
いつもの私を
いつも見守っているような気がする。

古木の
しめ縄が揺れた

私の
内面も静かに揺れた

・・・・・

新たな
私を望む必要はない。

いつもの私で
信じる道を
真っすぐに
歩いていけばいい・・・
幼い木々の話を
たっぷり聴きながら。

そのお話を
いつか
古木へ
自分の人生への道へ
そのまま
伝えて返したい。

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