ハマナス(ヘダンファ)

重い瞼の上に蜘蛛の巣
夏の仕掛けです。

このままだと
琵琶法師の家来に
なりかねません。

目を覚ました怖い夜
忘れちゃ行けない思い出が
線香花火のように燃えて
消え去ろうとしていました。

煙のように
主のない言葉が彷徨い

壁にぶつかる弱い波動は
主のない自尊心を傷つけ
心を奪おうとしています。

何の取り柄もない私です。
だからと言って、
視線を逸らし
空咳で追い払わないで下さい。

雨降る砂浜へ
連れて行ってくれませんか?

ハマナスが恋しいです。

赤い糸を紡ぎ、
小指に優しくまいて
亡魂になる前、
もう一度
マウニの涙を歌いたいのです。

日本海の遥か彼方は
何処の国?・・・・・・・。

懐かしい声が
聞こえそうな気がします。

私は、ここにいます。

忘れ去られた夏の思い出、
知らない浜辺に咲いているのでしょうか!

ハマナスが恋しいです。

マウニの歌が
恋しいです。


※ハマナスは韓国語で「ヘダンファ」と言います。

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