永登浦(ヨンドゥンポ)駅

下手な化粧をしたものの
涙で滲むのはマスカラなの?
それとも、列車の時刻表?!

 安っぽい黒い鞄には
何が入っているのかな?

下着と古い写真と親戚の住所のメモ
まぁ、お金になるものは何一つないね。

世の中を知らず、
教養も美貌にも恵まれず
大都会で生き抜くのは
君には自殺行為。

君は、田舎ネズミなんだから・・・。

大人ぶる君だが
真っ赤な口紅が・・・とても似合わない。

不自然な歩き方をしていると
見間違われるよ!

客引きの娼婦だと思われるからね。

警察に職務質問される前に
永登浦駅から離れるべきよ。

公衆電話を探しているけど
何処の、誰に掛けるんだい?

わかっている。
誰一人いないってことを。

さぁ、持っている全てのお金を出して
行けるどこまでの切符を手にして。

これで、お別れするの。

何処でもいいから、
何処でもいいからね。

夢とか希望とか、勇気だとか、
そんなものなどいらない。
自立するとか、そんなもんじゃないよね。
身一つ残して、
全部捨てましょう!

きっと、強くなれるよ。
離れて、離れて
また離れて、強くなっていくの。

さぁ、乗り遅れるなよ!
聞こえてるの?

深夜の駅から開演のベルが鳴り響いているよ。

更なる旅の劇はここから、
これからなんだからね。



※永登浦駅はソウルの永登浦洞にある駅です。
その後、遠回りして辿り着いたのは故郷でした。





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