灰色の午後

裏側に隠した、
貧弱なこころの塊。

抵抗している。

「外に出たい!出しなさい!」

出来れば、手を伸ばして
引っ張り出してあげたい。

しかし、暗いんだよ!
あんたらは・・・。

灰色
灰色
あの世の
この世の
灰色。

灰色は地味で、
じわじわと痛む。

落ち着きが、
忍耐心が必要だ。

程よい苦味のある
コーヒーの香りを
吸いまくるしかない。

次は、深呼吸!

邪魔するもの。
午後の分厚い雲が
体中を色染めしようとしている。

鈍る神経は
こんなむなしい、
灰色の午後を
最も恐れているのだ。

鼻から唇を伝って
生臭い血が流れた。

あぁ!
生きている・・・・・。

灰色に負けない
真っ赤な血が、
コーヒーの中へ沈んだ。

喜びが湧いてきた。

さぁ、出ておいで!
抵抗しなくていいよ!
灰色の午後に出ておいで。

しばらく、
なるべく やさしく、
見守ってあげるよ。

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