かもめさん、泣かないで下さい

薄紫の花は萎れ
花びら枯れ落ちる
恋の終わり
あなたのいない寂れた町
朝日が昇っても
瞼は閉じたまま。

生まれて初めて
惚れた人
貝殻首飾り海の匂い
しがない女だと
押し寄せる波は笑う
色褪せた波止場、沈む夕陽
・・・
帰りましょうか、あの日に
戻りましょうか、あのころに
波止場のかもめさん、
泣かないで下さい。

家なき老人に寄り添い
毛繕いしている野良猫
もう、私のことなど
見届けないでおくれ
海辺にこっそりと十五夜の月見草
足で踏み殺し
帰ります、あの日に
戻ります、あのころに。

波止場のかもめさん、
泣かないで下さい。

波止場のかもめさん、
泣かないで下さい。





人生の舞台、
いつ、とこで、幕が降ろされるかわからないが
精一杯主人公を演じ抜きたい。
自分の意思で生を終わらせるのは、
一度きりの舞台が台無し。
誰もが、何もかもが主人公
・・・・・
どうか、かもめさんを悲しみに落とせないでください。

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