創成川柳

お前は気付かないふりをする。
なぜなら、盗人だから
形のない欲望の品物
何一つお前を満たさない。
裏返しのレインコートのまま
立ち食い蕎麦をすまし
行く当ても無く
創成川ほとりで立ち尽す
気付いているだろう!
どうせ、似た者同志、
おいでよ、
一晩抱き合おう。
創成川、柳の下で・・・
薄情な都会にお前を
追い込んでしまったのは
・・・・・
くっそ、あのどでかい
満月のせい。

俺は昔からお前を知っている。
なぜなら、お前の欲望だったから
高級な香水を身につけて
夜明けまでひらひら飛び回る。
もう、よしなよ!
お前の落とし忘れた、色の褪せた欠片
どれもこれも大切なはず。
おいでよ、
一晩、
燃えるように抱き合おう
創成川、柳の下で・・・

この街で生きるのなら泣いたりしないで
奪われても、一人ぽっちでも、
大丈夫、大丈夫。

振り向く後ろには柳、創成川柳・・・・・

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