ネズ公 男

あ、ぁ
生ぬるい吐息の
耳の尖った醜い男。

私の肺は
卑劣な接吻に攫われ
ゆっくり、ゆっくりと
縮れていく。
いっそのこと、
蝶の舌になりあんたを
巻き殺したい

小便臭い路地裏
湿っぽい愛撫の儀式
こんな所で死にたくない
鼠達の集う洞穴から
抜け出すのだ

微かに、
風を感じる

微かに、
明かりを感じる

清かな月光!

私は思わず泣いた。

もう、ひとり、
どす黒い涙の男

さらば!ネズ公男よ。




ネズ公男は綺麗なエメラルド王冠を被っていた。
なおさら、顔が醜いように見える
歩くことも出来ず、目もみえない。
尖り続ける耳だけが頼りなのだ

もし、呪われた王子だったら・・・・・魔法から解き放されていて欲しい。
世の中は不思議な事がいっぱいだ。
しかし、必然的な事でもある。
あの洞穴はネズ公男の哀れな根城

幸運を祈ります。











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