故郷の雨

雨の夜だ
頭痛と体右の関節炎。
夜が明けるまで、眠れないだろう。

7階のベランダから
36号線を眺めていた。

理性を失ったかのように、
怪しい夜風が吹いている。

雨は、苦しみに耐えながら
落ちって行く。

天地創造の時、雨が降った。
滅びる時もきっと、  
雨は降るはずだ。

水圧の弱いシャワーのように
頬を伝って首へ、
首を伝って胸へと
ゆっくり混ざり合う雨の雫。

街路灯に照らされた雨の無常
君達は何処から来て
何処へ行くの。

遠い海から、
雲に乗り流れて来たならば、
しばらく、私に身を寄せて
旅路のお話、聞かせてよ!

絶え間なく走り去る車、車・・・
車輪に絡まれ、弾き飛ばされ、砕けては
また、アスファルトへ散る雨。
まるで、
飛び込み自殺に見えて、
やめろ!!と叫びだしそうだ。

あぁ!私が壊れていく・・・・・

雨の夜だ
痛くて眠れない夜だ
煙草の味も不味い。

雨に濡れた服を脱ぎ
匂いを嗅いたら、
昔の、雨の夜が想い出した。
・・・・・
故郷の雨は
悲しみの涙ではあったが、
苦しみの涙ではなかった。









 

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