さくら

花びら吹雪く
路頭に立っていると
恥ずかしくなる。

自分の無知、
自分の虚偽、
自惚れ・・・。

まるで、桜は
私の足に踏まれて
泣いているかのよう。

私は
弱くも、強くもない。
嘘つきでも正直者でもない。

あぁ!
あの花びらを、
怖がる私の悲しさ!

私は慌てて靴を脱ぎ
裸足になる。

止まない花びら・・・・・

ついに私は、獣の様に
口を荒々しく広げ、
桜を飲み込んだ。

重い病気を患う、
私を、治してくれそうな
特別な薬のような、
そんな気がした。

自分の飾る言葉、
自分の偽りの姿、
ぬるい意識・・・

桜は、
身を持って教えてくれる。

時に従え!

・・・・・・・。

適当に、
適当な人間になりたい。
秋に、
桜を思う季節遅れの人間のままでいたい。

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