自分に会える時

寝床に入る。
電燈を消し、しばらく目を閉じる。
長く、深呼吸を2~3回した後、目を開ける。
薄暗い部屋の中、私は毎晩、自分を呼ぶ。
静かに、労わる気持ちを心に込めて・・・

会える私は、いつも寂しそうな私。
しかし、微笑んでいる。
この感情を言葉に表す事は出来ない。

ずっと昔、子供の時からそう思っていた。
一日の終わりに自分に会える事は意識(心)によるものだけど、
どうしても、無意識の感覚のような錯覚をしてしまう。
そんな中で・・・私は呟く、 私へ。
愛して生きていくのよ。と・・・・・何もかもを。

善い人になりたいつもりはまったくない。
ただ、あまりにも空虚すぎる。とてつもない宇宙の中、ちりにもなれない私。
でも、生まれてきた。人間として。なんとか生きていかなくちゃ・・・・・

幼いころから悲しい別れの経験が多い。
大好きな人達が急いでこの世から去って行く。
あの時は、同然宇宙の存在も知らず、空虚感と言う言葉も知らない。
思春期のころ、はっきりと分かった。
当時、私は釜山に転校し、気が付いたら不良グループの一員になっていた。
釜山のなまり(方言)に困っている私を同じクラスの女の子が色々教えてくれた。
その子は、いわばグループの番長、ナンバーワン。

とても繊細な心を持つ彼女だが、周りは気づいていなかった。

大切な友達。
しかし、ある日、彼女は死んだ。
・・・・・・・

愛して生きていくのよ。と、わたしが呟くのは、
彼女の愛の真理を、世間が、人々が殺したからなのである。
そして、ずっと、私が自分自身に会うのを望むのは
愛し合って生きていきたいと願っているからなのである。

ところが、
私は本当の愛も、本当の自分も知っていないのに違いない。
永遠に知ることが出来ないかも・・・

ただ一人、静かに自分になる!

たったいま、会える自分に、いつまでも飽きることなく、
呟いていきたい。








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