フィンランドの匂い

世界で最も政治家の汚職の少ない国として、
世界一、水がきれいとして評価されたことのあるフィンランド。

海に包まれている夜のヘルシンキの街。
映像とは言え、私は感激した。
‘‘あの街” と駆け落ちしたいほど惚れ惚れした。

大好きなアキ・カウリスマキ監督の映画にも、
忘れることの出来ないフィンランドの匂いが伝わる。

私は幼い時から、眺めることが好きな子だった。
学校での退屈な授業を受ける時も
窓越しの山を眺めてばっかりで、毎日のように廊下へ立たされた。

いつも夕暮れになると、
何かを、誰かを、待ちながら
駅を川を、野原を、海を眺めていた。

結局、
何も 誰も 私の前に現れないことを知るまで、
随分時間が掛かり、後悔の涙を流した。

錆び付いた諦めの扉へ掛け金をかける事は、
私にとってかなりつらいことであった。

12~3年前、シアターキノでアキ監督の映画を眺めた。
特別悲しい映画でもない。
むしろ、コメディー映画なのに涙が止まらない。
うまく言えないが、
あの時の扉を、無理やり閉めなくていいんだよ・・・・・と
教えてくれたような気がした。

数日前、アキ監督の兄である、
ミカ・カウリスマキ監督の「旅人は夢を奏でる」を眺めた。
やはり、見るというより眺めちゃう。
同じく、フィンランドの匂いに酔いしれ益々その地へ
行ってみたくなった。

言葉を含め自然界の全ての風景・・・・・
人は眺め、それぞれ自分の心に沁み込む匂いを
感じ取るときがあるはず。
それは体中に伝わり、不思議な大きな力を与えてくれる。
そして、
どんな時でも見方になってくれる。

私はフィンランドの匂いが好きだ。

その匂いは、今までの私の人生そのものであり、
これからの人生の匂いでもある。





 

0 件のコメント:

コメントを投稿