雑草

誰かが草刈をしていた。

立派に伸び続けている、

自立心の強い雑草。

あんなにも生命力の強いものが

他にもあるんだろうか。


余地無く、無惨に切られ

積み重なって倒れている萎びた体。

燦々たる陽光が彼らを枯らしていた。

始まりの匂いなのか、

終わりの匂いなのか。

鼻を刺激する青臭い、雑草の体臭。


雑草の死を追悼しているんだろうか!

ぽつんと立っている、

細い体の赤つめ草が泣いていた。


笑い声が聞こえてきた。

土の中から聞こえてきた。

「髭剃りに蒸しタオルマッサージ!
相変わらず気持ちが良いな・・・
これで、また、頑張れるぞ、へへへ」。

根こそぎ抜かれても

生き延び続ける図太さ。

凄いね、雑草。

こめんなさいね、皆さん!

それぞれちゃんとした名前があるのに、

雑草と呼び捨てて・・・。


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