六月の病

ため息が徘徊する夜だった。

真実が遠ざかる夜だった。

苦い喪失感を何とかしたい夜だった。

泣き叫びたいそんな夜だった。

病の再発は、

いつだって六月。

最も弱い自分、最も脆い自分がここにいる。

お願い、

何も、何も聞かないで・・・。

いつものように、

何事もなかったようにしてちょうだい。


愛を確かめようと

手探りのごっこ遊び・・・・・間違いの遊びをするのを

もう、やめましょう。

お願い、

何も、何も言わないで・・・。

林檎の色も、味も知らない

あなたには理解の出来ない病。

虫に喰われた林檎をこれからどうするのか。

捨てるのか、捨てないのか、

あなたしだい、わたししだい。


こんな夜は

日にちの古い新聞紙を広げ爪でも切るが良い。

三日月のような爪。

六月の病を

爪と一緒に切り落とさなくちゃ・・・・・。







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